タグ:4月
第188回 今私たちにできること
これだけ大きな地震、津波そして原発事故が東北、関東を襲うとは思いもかけないことでした。想像を絶する数の犠牲者のみならず、未だ出口も見えず不安で困難な生活を強いられている被災者の方々を目にして自然の恐ろしさ、人間の無力さを改めて思い知ります。それとともに放射能汚染、停電の危険にさらされ、買い占めなどの無益な行動の報道に接すると、想定されたことへの対処を怠った人間の愚かさへの怒りと、情報に振り回される人間の弱さへの絶望もぬぐいきれません。
しかし、一方でこうした状況の下でも懸命に生き抜こうと日々の困難に立ち向...
2011.04.04
第176回 親子
フィリピンでは2001年にアロヨ政権が発足して以来、多くの弁護士、人権活動家、ジャーナリストなどが軍の関与によって殺害される事件が起こりました。国連の人権に関する会議などでも深刻な問題だと認識され、各国政府もフィリピン政府に人権状況の改善を求めるなどの動きが出たため、2008年には暗殺事件件数が減少します。私も理事をしている人権NGO「ヒューマンライツ・ナウ」を含む世界の多くの団体が関心を持ち、監視し、許さないと声を上げていったことによって、大きな人権侵害を食い止めることができたのです。
そのフィリピンに行ってきました。未だに、警察官がグルになって観光客を犯...
2010.04.03
第164回 憲法教育
先月、札幌弁護士会主催の「中高生のための憲法講座」で憲法の公開授業をしてきました。私は日本が真の立憲民主主義国家になるためには、子どもたちに対する法教育とくに憲法教育、主権者教育が決定的に重要だと考えています。
憲法改正国民投票法が成立し、2010年5月には憲法改正手続きを具体的に...
2009.04.02
第152号 『今を生きるサクラ』
今、渋谷の塾の前のサクラが満開です。人はみなサクラの花を見てすばらしいと讃えます。ですが、サクラにとって花を咲かせている時間は、その生涯の中でほんのわずかです。ましてや花を咲かせることをゴールとして生きてきたわけではないはずです。サクラは、夏も冬もただひたすら、淡々と生き続けてきただけです。仮に花を咲かせることがゴールならあとは枯れてもいいことになりますが、花を咲かせて散った後には新緑となり、葉が落ちてもまた次の春に向かって生き続けます。
では何が、ゴールなのでしょうか。それは何かの結果を生むことではなく、た...
2008.04.09
第140回 桜
先週から塾の前の桜が咲き始めました。
桜丘という地名のとおり、毎年見事な花を咲かせてくれます。始めはポツポツ...
2007.04.01
第128回 プロ
今年は例年よりも早く渋谷の伊藤塾の前の桜が満開となりました。
何本ものさくらが集まっているために、どれも同じように見えますが、よく見...
2006.04.01
第116回 立憲派
今年の5月3日で伊藤塾/(株)法学館は創立10周年を迎えます。
1995年という混乱の年に生まれ、その後、司法制度改革、法科大学院創設...
2005.04.01
第104回 さくらPart II
卒業式や入学式シーズンですが、公立学校の現場は例によって、日の丸、君が代の徹底で大揺れです。法律で規定された国歌や国旗を教育現場に強制し、従わない教職員は服務上の責任を問われるそうです。そのうち「すべての式典においては国花である菊を飾ること」という法律ができるのではないでしょうか。
こうして現場ではことごとく異論が封じ込められていきます。テロとの闘い...
2004.04.01
第92回 信念
試験が近づいてくると、次第に実力以外の要素がものをいうようになってきます。つまり、いかに自分が合格できると心から信じているか、自信の有無が決め手になってくるのです。不安を除去し、自分が合格できると自分に言い聞かせることができる人が勝利者となります。
常々講義でも言っているように、自分で自分の能力の限界という壁を作っては...
2003.04.01
第80回 無知の至福
狂牛病、産地の偽り、ムネオハウス、論文本試験の成績、従軍慰安婦、ハンセン病訴訟、予防接種禍、恋人の本音、南京大虐殺、不良債権の総額、HIV・・・。 これらの共通点はなんでしょう。
それは知らない方が幸せだったかもしれないということです。知らぬが仏と...
2002.04.01
第68回 心の響き
今、CDショップに行くとクラシックのコーナーに二人のバイオリニストのCDが並んでいます。川畠成道さんと諏訪内晶子さんです。二人とも先を急いでデビューしたのではなく、じっくりと内面の成熟を待ってから世に出ました。もちろん、実力は10年前から世界第一級ですが、ときを待ったのです。
1989年の熱いプラハを思わせる諏訪内さんの演奏は、彼女が世界で過ご...
2001.04.01
第56回 二者択一
択一試験。もうすぐです。この試験は五肢択一です。今回はこの択一という発想について考えてみます。
法律は人間の世界を扱っています。その人間世界は、択一的に割り切れるもの...
2000.04.01
第44回 ある本を読んで
「ある死刑囚との対話」(弘文堂)という本を読みました。死刑囚Aと作者であり精神医学者でもある加賀乙彦氏との間で交わされた書簡集です。処刑される前日までの2年4ヶ月間のやりとりは、死刑確定囚とのものですから特別の世界のように見えるのですが、実は極めて普遍的なことを学べた気がします。
Aが処刑されたのは40歳と7ヶ月のとき。私がこの本を読んだのは偶然に...
1999.04.01
第32回 ひとつひとつ
先月から来月にかけて全国に在宅スクーリング、公開講座に出かけています。毎回、数十の相談を受けます。私にとっては多くのうちのひとつであっても、受験生にとってみればその場ではたったひとつの悩みです。東京校にいるときも同じです。ひとつひとつを大切にしなければといつも思います。毎日が真剣勝負です。
択一の勉強をしていると、またこんな判例や条文を覚えるのかとうんざりし...
1998.04.01
第20回 司法試験第七科目
先日、別冊宝島「この資格をねらえ」におもしろいことが載っていると知人から知らされました。そこには「司法試験受験界の4大学校の受験生によるとLは自習室、Wは本屋、I は宗教、Tは養老院」とあるそうです。なるほどと感心しながらもやはりこのI は宗教というのがちょっとひっかかりました。他にもたまに「あそこはあやしい」という声も聞くことがあります。「やればできる」とか、「無限の能力を確信しろ」とかがどうもうさんくさいらしいのです。そういえば前回の雑感でも死とか魂とか言ってしまいました。まあ、いろいろな考え方の人がいてこの世の中は進歩するのだし、評判になること自体はうれしいことです。そして、憲法を勉強している皆さんなら宗教の本質が絶対性にあることやそれが私の考え方とは全く逆であるということは理解しているでしょう。しかし、ひょっとして、心配になる人もいるかもしれませんので少し弁解させてもらいます。
最近、択一の過去問を解いては模試を受ける毎日がいやになってしまう人は...
1997.04.01
伊藤 真
伊藤塾 塾長
司法試験・公務員試験対策の「伊藤塾」塾長・伊藤真の連載コーナーです。
メールマガジン「伊藤塾通信」で発信しています。
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