2019.07.01
第287回 無罪の推定
私たちは、裁判という制度を真実発見のためのものとして考えてしまいがちです。ですが、民事裁判は紛争解決が目的ですし、刑事裁判も国家による刑罰権の発動を許してよいかどうかを判断するための手続きです。どんな裁判であっても人間が行う以上は、真実に到達できないこともあります。ところが刑事事件において、有罪とするには証拠上疑問が残るときでも警察・検察などの捜査機関は被告人を処罰しようとやっきになることがあります。職務熱心のあまりの思い込みもあるでしょうし、組織としてのメンツもあるかもしれません。ときに証拠の隠蔽、ねつ造を行うこともあります。それは例外的な事象と思いたいですが、実際にいくつかの裁判で明らかになっています。