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1996年

第10回 幸福権と幸福追求権

 ある受験生がいました。彼女は今、心の病を患い、病院に入院しています。どのようにして私の自宅の電話番号を知ったのかわかりませんが、深夜、早朝とわず、電話をかけてきたり、長い手紙を書いてよこしたりします。初めははっきりいって大変に迷惑でした。夜中に電話でたたき起こされて、訳の分からない話を聞かされます。話題は彼女の生い立ちや自分をねらっているものがいるから助けてほしいというもの、フランスの構造主義の問題点、ボスニア紛争まで多岐にわたります。

 そんな彼女が手紙で小説を書いてよこしました。すばらしい内容でした。 ...

1996.06.01